9月の定例会

9月19日におこなった定例委員会の報告書の一部内容を抜粋してお知らせします。

■ 2015年フィリピンキャンプ活動報告      

フィリピンのクリオン島で8月17日から8月27日までのワークキャンプが無事に終わりました。台風が接近したこともあり予定変更も多々ありましたが、その都度フィリピンメンバーと日本人メンバーと一緒に考え、安全第一で活動することができました。
今回行ったワークキャンプ内容は以下9つです。
① 日本人メンバーがフィリピンメンバーの家にホームステイ
② マングローブの種取りからの植林
③ ハンセン病回復者のお宅に訪問し、お話を聞く
④ クリオン島と日本のハンセン病の歴史の交換
⑤ クリオン島のハンセンミュージアム見学とクリオン島ツアー(フィリピンメンバーがガイド)
⑥ クリーン活動(ゴミ拾い)
⑦ 壁にペイント(雨で途中で中止)
⑧ 日本とクリオン島の文化や遊び、日常ダイアリーの交換
⑨ フェアウェルパーティー(フィリピンメンバーとホームステイ先の人たちに感謝を込めて日本食をつくりました!)
今回のキャンプは、クリオン島の子たちのいいところと日本人のいいところが混ざり合い、尊敬し合いながら、一緒に試行錯誤しながらメンバーみんなで作り上げたキャンプとなりました。お互いの住んでいる環境や1日の流れも違う若者同士の活動でしたが、同じ場所で同じ時を側で過ごすことで、お互いになにか刺激を受けることができたのではないかと思います。
日本人は言語を通じ合わすことができないメンバーが多い中でも、クリオン島の若者の思いやりやあたたかさ、盛り上げ上手な人柄に触れ、何か大切なことを感じたのではないかと感じたのではないかと思います。
ホストファミリーと急遽参加してくれたメンバーに、感謝します。また来年も繋げられるようにこれから考えます!
(文責:S・T)

■ 2015年韓国同恵園キャンプ          

8月8日から21日まで、大韓民国全羅北道高敞郡の同恵園でワークキャンプを実施しました。韓国のMERS感染騒動により、日本側参加者の父母たちの反対が強く、FIWC関西は団体としての今回の同恵園Camp参加を中止しました。前日参加は僕だけ、あとは3人が部分参加しました。

忠南大学の助癩会(ジョナヘ)の方も、リーダーが全部そろわず、総員9名ワークした人5名という少人数が何日もありました。
多い時でも25名位、宿舎も広く、個室もいくつかあってホテルのような環境で、家族キャンプのようで参加者の名前も覚えられ皆が親しくなりました。人数が少ないので、全体会議もリーダー会議も30分位で終え、2時間刻みのゆったりした日程で、ゆとりのあるCampでした。ワークは、診療所の平屋建て建物全体にペンキで絵を描くことと、裏山の切り倒した木の移動でした。雨にも降られたが、ワークは全て完了しました。

村には畜舎がほとんどなく(使われなくなって壊した)、家と家の間が広く、ゆったりとした感じでした。男たちがかなり死んでしまっていて(5年前、1ヵ月の間に5人死亡)、ハルモニ(おばあちゃん)達が一人で住んでいる家がたくさんあります。最高齢の男性快復者が66歳、あと代表さんが58歳の2人だけでした。現代表は10年以上代表を務め、村を外に開くために、いろんなことをしておられます。村を観光開発しようと、農園を整備し、今回のワークの裏山の処理も外からの人が山に入って歩けるようにするためです。ブルーベリー農園を村に入れたり、畜舎も外の人に売ったりしています。村には若い公務員と音楽家の夫婦が住み、カフェをつくろうとしています。高齢化が進む中、何とかして若い世代を住まわせようとしているのです。

村に残っている快復者のハルモニは6人、すべてに聞き書きをしました。村の歴史は古く、1947年にさかのぼります。カトリックの信仰があつく、村には修道院がありイタリア人と韓国人の修道女が2人住みながら、村人たちの支援をしています。イタリア人の修道女は愉快な人で、25歳にイタリアからきて50年近く韓国に住んでいます。彼女は連日車を運転してハルモニ達(80歳を超える人が多い)を病院に送っています。それだけでも毎日忙しいそうです。
そんな中で開かれた茶話会には、たくさんの村人が参加してくれて、とても親しくなりました。ダイナミックさには欠けるが、少人数のキャンプもゆとりがあってお互いが親しくなれていいなあと思いました。
(文責:Y・Y)

■ ハンセン病資料館・花さき保育園訪問 報告

 2012年7月に、東京都東村山市にある国立療養所多磨全生園の敷地内に花さき保育園が開設されました。ハンセン病療養所の中にある保育園では、子どもたちにどのようにこの病気のことについて伝えているのだろうと思い、先月28日、森本美代治さんの案内のもと、保育園とハンセン病資料館を見学させていただきました。
 保育園は一般的な保育園の建物とは違い、高い塀に覆われておらず、入口はガラス戸の自動ドアでいつでも足を運べる様な作りになっていました。また、地域の人たちも利用できる「ふれあい広場」が保育園の横に併設され、地域の人々、保育園の子どもたちやその保護者達と快復者の人たちが繋がれる環境がありました。これは長い間、高い塀で閉ざされてきた療養所の中にある保育園だからこそ、子どもを持つことを許されなかった歴史があったからこそ、人と人、人と子どもを遮るものをとった作りであると言えます。保育園の事務員さんのお話では、子どもたちにはあえて病気のことや歴史のことについては、伝えてはいないということでした。子どもたちが回復者の人たちと触れ合う中で、「おばあちゃん、お鼻どうしたの?」「指はまだ生えてこないの?」等疑問をもったり、聞いてみたりして、子どもたちにとって回復者の方々が「昔、ハンセン病だった人たち」ではなく「一緒に遊んでくれるおじいちゃん、おばあちゃん」という存在になっているということでした。ハンセン病の後遺症も、子どもたちにとっては転んで出来た傷跡と何も違いはありません。色々な人たちがいるんだということを普段の生活の中で、触れ合う機会があるからこそ、差別は自然になくなっていくものなのではないかと考えさせられました。
 ハンセン病資料館や花さき保育園の見学を通して、差別問題を解決する理想の形は何かということを深く考えさせられました。大人が子どもたちにどう伝えるかということよりも、大人が子どもたちにどの様な環境をつくっていくかということが本当に大切なことであることに気が付きました。
 今回、見学するにあたって案内をしてくださった森本さんや、その他の施設の方々、本当にありがとうございました。
(文責:C・S)
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その他の議題は
■ FIWC関西委員会の現況について
■稲刈りキャンプのお知らせ (別記事予定)
■ メーリングリスト登録のお願い(別記事予定)
■ 会計について 
■作成中のホームページの構成に関する相談と運営方針について
でした。
(W・K)

FIWC関西委員会

FIWC関西委員会は、日本のハンセン病療養所や韓国をはじめとする海外のハンセン病定着村、災害発生地などでワークキャンプを行う団体です。 奈良にある"交流の家"を本拠地に、大阪・神戸・京都などで活動しています☺