FIWC関西委員会について
FIWC関西委員会とは
FIWC関西委員会とは、1961年に発足した、国内外でワークキャンプを行う任意団体です。
設立以来、学生・社会人を中心とした一般市民がワークキャンプを企画・運営しています。
奈良県奈良市に所在する「交流の家(むすびのいえ)」を拠点としています。
当初は、日本国内の孤児院や障害者施設、災害地域での活動が中心でしたが、1963年に始まった誰であっても宿泊できる施設「交流の家」建設運動をきっかけに、日本のハンセン病療養所に暮らす快復者とのワークキャンプが始まりました。
ハンセン病に関する活動は国外にも及び、韓国、中国、インドネシア、フィリピンのハンセン病快復者が暮らす地域でもワークキャンプを行っています。
このほか、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震での災害復興支援、農業キャンプなど、その時々に応じた活動も行ってきました。
ワークキャンプとは
ワークキャンプ(Work Camp)とは、様々な理由による生活上の問題や社会的な課題を抱える地域に行き、参加者が寝食を共にする合宿生活をしながら、地域の人々を交えた労働や交流を通して問題の解決を目指す活動です。
世界初のワークキャンプは、第一次世界大戦の終戦直後の1920年、キリスト教フレンズ派の人々(一般にクウェーカー教徒と呼ばれる)が始めたものでした。
「平和のための義勇軍」として、大戦では敵国同士として戦った国々から集まった若者たちが、激戦地で会ったフランス・ヴェルダン地方の復興作業を4ヶ月にわたり行いました。
日本では1923年の関東大震災の際、クエーカーの団体がアメリカから来日し、被災者の救護・支援活動を行ったのが始まりです。
FIWCとは
“FIWC”とは、正式名称を「フレンズ国際労働キャンプ」(英名:Friends International Work Camps)といいます。
1920年代より日本でワークキャンプを行っていた、AFSC※(アメリカフレンズ奉仕団)は、1946年より日本人の若者を交えたワークキャンプを開催し始めました。水害被災地や、海外等でのキャンプを重ね、1961年に日本の独自の組織として「FIWC」としてAFSCから1961年に分離・独立しました。
FIWCは設立以来、いかなる政治・宗教団体に一切所属しない、一般市民・学生による非政府組織(NGO)として活動しています。
※AFSC:第一次大戦中の1917年にキリスト教フレンド派(クエーカー教徒)が平和運動のために組織した民間団体。1947年ノーベル平和賞受賞。
全国にFIWCの名前をつけた団体は複数あり、現在はFIWC関東委員会、FIWC東海委員会、FIWC関西委員会、FIWC九州委員会の4つが活動をしています。
それぞれFIWCの名前をつけていますが、本部という概念はなく、それぞれが独立した団体として独自に運営と活動をしています。
各委員会は、年末に開催される「年末キャンプ」などをはじめに、相互交流をしています。
交流の家(むすびのいえ)とは
FIWCが建設した、「誰でも宿泊することができる」ことを理念とする施設です。
1963年、あるハンセン病快復者が、その病歴を理由に宿泊施設の利用を拒否されたことを、大学のゼミで聞いたFIWC関西委員会の学生たちが、「誰でも泊まれる施設」を作ることを考えたのがきっかけでした。
建設運動は、計画から実際の建設、資金集めまで、学生が中心となり行われました。
途中、ハンセン病快復者が宿泊することを理由に、地域や行政から反対の声があがりましたが、地道な説得を繰り返すことで最終的には理解してもらうことができました。
1967年に竣工し、以降はFIWC関西委員会の拠点として定例委員会をひらくほか、長島愛生園入所者との囲碁将棋大会開催や、長島愛生園にあった高校・岡山県立邑久高等学校新田良教室の同窓会、韓国のハンセン病患者定着村・ヨンシン村の住民が来日の際に交流会をひらくなど、交流の場として利用されています。