1月定例会報告
定例会報告の記事を抜粋して掲載します。
■ 年末キャンプの報告
先月の27日から30日まで、交流の家で毎年恒例の年末キャンプを開催しました。
今年は、FIWC関西、関東、東海、九州の各委員会のほか、インドでワークキャンプ活動を展開するNGO団体「ナマステ」から参加者が集まりました。参加者は最大で31名になりました。各団体の活動報告やディスカッション、交流の家の修繕ワークなどをおこないました。
以下、年末キャンプに関して、トピックごとに報告をしていきます。
・ワーク内容と成果
28日の午前・午後、29日の午前に、交流の家の大掃除をしつつ外壁のコンクリートにペンキを塗るワークをおこないました。28日は壁面の清掃と、ペンキを定着させるためのシーラーを塗り、29日にペンキを塗りました。交流の家の西壁と階段の側面、南側の入口周辺、ベランダ側面にライトグレーのペンキを塗りました。目標としていた部分のペンキ塗りは完了し、まあまあきれいな仕上がりになりました。ただ、もう少し塗り足したいところや、若干の塗りのこしなども残っているので、また気を改めてペンキ塗りキャンプを開催しようと思います。
・委員会報告とディスカッション
28日と29日の午後、各委員会の運営活動報告、各キャンプの活動報告を行いました。今年は、各委員会の年間活動や、キャンプの活動を模造紙にまとめたものをキャンプ初日から掲示し、キャンプ期間中いつでも見られるようにしました。また、掲示物を見て良いアイデアだと思ったところに貼る「イイネシール」や、疑問に思ったところに質問やコメントを書いて貼るポストイットを用意しました。報告会の前から、参加者の目に触れるところに活動内容を掲示することで、他の活動について報告会前にあらかじめ知る機会となり、より深い議論をすることができました。
29日には、FIWCのOBである西尾雄志さん、日下渉さん、山口健一さんを招いて、講演会・ディスカッションを行いました。この3人の先輩方は、2015年にFIWCで取り組んできたワークキャンプを題材とした『承認欲望の社会変革』という学術書を出版されており、今回、内容の解説もかねて講演をお願いしました。
講演内容は、理論的で概念の理解が難しい部分もありましたが、実際にワークキャンプをしてきた体験と重なる部分では、深く考えさせられることがありました。国内外の療養所や定着村を訪れてキャンプをおこなう中で、村人と親しい関係をつくることができたとしても、それで終わりになってしまってはいけない、という話が印象に残っています。そこからさらに一歩を踏み出す、ということはどういうことなのか。そこで知り合った人たちがなぜそこにいて、どうやって過ごしてきたのか、ということに目を向け、自分がキャンプを終えた後になにができるのか。もっと議論をする機会を設けて、考えをより深めていく必要があると強く感じました。これは私個人の感想で、参加した他の人たちはまた別の思いを抱いたかもしれませんが、それぞれがそれぞれの形でワークキャンプについて考えを深める貴重な機会となったと思います。
・会計について
会計ですが、皆様のご協力もありまして、赤字なく運営することができました。今回、キャンプ運営に際しまして、たくさんの方の現物・現金のカンパをいただきました。本当にありがとうございました。本来は皆さま一人ずつにお礼を申し上げるべきですが、略儀ながら書中でご報告いたします。
来月の定例会にて、詳細な会計報告をおこないます。
・まとめ
普段なかなか会えない他の委員会や団体で活動をおこなっている人たちと、ワークや飲み会を通じて親しくなりながら、キャンプのことを話し合い、ものすごく刺激的で楽しい時間を過ごせました。参加したメンバーみんなが、それぞれ「何か」を持ち帰ることができたのではないかと思います。具体的な反省点はいろいろありますが、これをしっかりとフィードバックして共有しながら来年に活かしたいと考えています。
今回、個人的に印象深かったのは、もっと異なる委員会や団体を超えた活動を展開してもいいのではないか、と思ったことです。こういう委員会をまたいだ交流の機会を年末キャンプだけにしてしまうのはもったいないように思います。今年の活動は、他の委員会との連携を積極的に取りながら広げていければと思いました。
■ フィリピン春キャンプ準備報告
年末キャンプで夏のキャンプについて報告をしました。
そこでもらったコメントとして、下記のような意見が寄せられました。
・春キャンプでは、「快復者に何かを教えてもらう活動」をしたい。←その活動はその場で終わってしまうのではないか。
・何かを教えてもらう活動について、「快復者自身に自信をもってもらいたから」おこなうと説明。← その考えはある意味「上から目線」になっていないか。
こうした意見について後日ミーティングで話し合い、次のような意見が出ました。
・快復者に何かを教えてもらうことが目的でなく、その場で現地の若者と快復者と日本人が一緒に交流することである。現地の若者は日本と違ってハンセン病快復者が身近な存在なため、あまり意識していないからこそ、ハンセン病快復者の存在が遠い日本人と一緒に行くことによって、快復者と意識して関わり、そこからみんなで差別や偏見について考えることができる。
・上から目線は思ってなかった視点だが、快復者に意見を聞いて、一緒に考えてもらう必要があるかもしれない。
また、現地の若者に、ハンセン病快復者との交流をアクティビティーとして行うことに対してどう思うかを聞いたところ、次のような意見が出ました。
・yancoという学校行事で、1年に1回ハンセン病快復者や家族から見放された患者を訪問し、歌を歌った治元気づけるようなイベントをおこなっている。それを、日本人と一緒に行うことによってさらに価値が深まると思う。
・2016年はクリオン島にハンセン病患者が来て110周年。それにむけ、若者が活動することは意義があると思う。
このように、前向きな意見をもらいました。ですが、具体的にアクティビティーとして何をするかというところで、アイデアが浮かばず行き詰っている状況です。
これに関しては、快復者の人たちにアクティビティーについて相談し、「若者たちとどんなことをしたいか」を聞いて考えていきたいと思います。
■ 韓国キャンプについて
昨年、MARSの流行によって中止となってしまった韓国キャンプですが、今年実施できるよう、少しずつ準備を始めています。前年度に参加してそのままキャンプの準備を主導してくれる中心的な学生メンバーがいない状況で、例年通りで軌道に乗せていくのがやや困難ではありますが、なんとか夏にキャンプを実施できるよう始動していきます。
また追って報告できればと思います。
■ 聞き書き活動の報告
先月、聞き書き活動の翻訳協力者を広く募ったところ、何人かの方に協力を申し出ていただけました。本当にありがたい限りです。
こうした状況で、今月8日に鶴橋で開いたミーティングでは、聞き書き活動の今後の活動方針をより明確にする必要があることを再確認しました。韓国の聞き書き活動では、これまで漠然と手当たり次第に翻訳をしてきたのですが、よりモチベーションを高く維持するために、この先は定着村単位で翻訳を集中的に終わらせ、一つ一つ終わらせていこうということになりました。
また、柳川さんが保管している大量のデータの全体量がいまだ不明確で、残りの作業の全体像がはっきりしていない現状を解決するため、1月23日に何人かの聞き書きメンバーで四日市市にある柳川さんのお宅をうかがって、資料整理キャンプ(?)を実施することになりました。これまでに集まっている聞き書き関連データの全体像を把握できればと思います。韓国に加え、日本や中国など、他の国の聞き書きについても作業方針を定めていきたいと考えています。
■ 「美しい同伴者」日本語版を買ってください
1973年の第1回日韓合同キャンプを自ら経営する韓国の太田近郊にあるらい快復者定着村「炭洞再活園」に導き、韓国キャンプの実現に多大なる努力をしてくれた呉済天(オーチェチョン)さんの自伝が一昨年韓国で発行されました。一介の牧師だった彼がどのようにしてらい者と出会い、定着村を作るにいたったのかが詳しく書かれており、感動的な場面もでてきます。牧師なのでキリスト教的なことばが多く出てきてなじみの無いところもありますが、それを差し引いても面白い内容だと思います。
その韓国語の本を呉済天さんと縁のあった永岡孝子さんが老齢にもかかわらず全て日本語に翻訳してくれました。また、日本のキャンパー達がタイピングをしてくれ昨年末に大倭印刷で本にしました。
今、中国、インドネシア、ベトナム、インド、フィリピンなどで開催されているワークキャンプの源流とも言うべき人ですので、最初の海外キャンプがどのように始まったかが分かります。ぜひ手にとって読んでください、
お問い合わせ先:
fiwckansai.wc@gmail.com
fiwckansai.wc@gmail.com
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